ぐんぐんのぼる
今回の余白の撮影の日、
ラッキカラーがターコイズブルーだったの。
藍染のストールを頭からすっぽりかぶって
てれてれあるいた。
懐かしい場所に行った。
その場所を誰かに話すとき
かならず登場する人がいる。いた。
名前しか知らない
とてもシャイで、はにかんだ笑顔が素敵な方。
「奥にいつもおったやろ、おじさん」
お店の大将が炭場の向こうから教えてくれた。
昨年、病気が発覚したのち2週間だったそうだ。
そっか、そっか
こんなとき私の言葉は影になる。
記憶、思い出、その時間。
わたしひとりだけのものになったとき
語るそれはどこまでが現実なんだろう。
ずっと考えている
まだまとまりそうにない。
山をお散歩した。
あるいて、あるいて、ぐんぐんのぼる。
風の音、ゆれる葉っぱ、鳥の声、
呼吸、大きなハミング。
「森が気持ちよかったね」
「うん、気持ちよかった」
わたしひとりだけのものじゃない
いっしょに手にしている豊かな時間。
毎月22日の更新になりました
朝山啓司くんとのポートフォリオプロジェクト
「余白」です。
photo:朝山啓司 http://keishiasayama.com
毎月最終日には
山本インスタグラムにも余白更新します。
https://www.instagram.com/__yuki__yamamoto/